子供の頭痛
2014/03/17更新
子供の一次性頭痛では主に片頭痛と緊張型頭痛がみられます。子供の頭痛の病態や治療方法は、大人のそれとは若干違います。
子供の片頭痛の診断
子供の片頭痛の診断では大人の診断とは大きく2点違うところがあります。
- 頭痛の持続時間は大人より短い。(大人が4時間以上なのに対し子供は1時間以上)
- 痛む部位が片側性だけでなく、両側性の前頭・側頭を含む。
また、子供に特有な片頭痛として、周期性嘔吐症(周期的に嘔吐がみられる)、腹部片頭痛(頭痛の代わりに腹痛が起こる)、小児良性発作性めまいがあります。これらは頭痛がなくても片頭痛の仲間として加えられています。
子供の二次性頭痛
二次性頭痛とは、特定の病気を原因として起きる頭痛のことです。子供の二次性頭痛の原因として1番多い病気は感染症、次いで頭部外傷です。
救急外来で多いのはウィルス性疾患、副鼻腔炎です。髄膜炎や脳腫瘍といった重篤な脳疾患が原因であるケースは少ないですが、不審な経過を示す場合はCTやMRIといった検査を受けたほうがよいでしょう。
子供の片頭痛の薬
子供の片頭痛の急性期には、イブプロフェンとアセトアミノフェンが使われます。イブプロフェンのほうが鎮痛作用が高く、アセトアミノフェンは効果が早く現れるのが特徴的です。大人の片頭痛の急性期にはトリプタンが使われますが、子供には処方例が十分でないため、トリプタンの使用は見送られる傾向にあります。
子供の片頭痛の予防薬としては、抗うつ薬のアミトリプチリンや抗ヒスタミン薬のシプロヘプタジンが多く使われています。