トリプタンによる痛みを抑える治療
2013/11/25更新
片頭痛の発作時には、その痛みを抑えるためにトリプタンという製剤が広く使われています。
トリプタンの作用
片頭痛が起こると、血管が拡張し、周囲の三叉神経を刺激します。トリプタンはこの血管の拡張を抑え、縮小させる働きをします。また、刺激された三叉神経から炎症物質が放出されるのを抑える働きがあります。このような働きによりトリプタンには片頭痛を本質的に治める作用があります。
トリプタンの種類
トリプタンには様々な種類があります。そのため、1つの薬が効かなくても、他の薬が合う可能性があります。
一般名 | 主な商品名 | 投与タイプ | 特徴 |
---|---|---|---|
スマトリプタン | イミグラン | 経口薬、点鼻薬、注射薬 | 市販された最初の(1991年)トリプタン製剤です。効き目が早く、効果も高いことから、重症の片頭痛にも使われます。 |
ゾルミトリプタン | ゾーミッグ | 経口薬、口腔内速溶錠 | 吸収率が高く、少量でも効果があります。ときに一過性の眠気やめまいがみられることがあります。 |
エレトリプタン | レルパックス | 経口薬 | ゾルミトリプタンと同様、少量でも作用します。眠気やめまいの副作用が少ないのが特徴です。 |
リザトリプタン | マクサルト | 経口薬、口腔内崩壊錠 | 即効性が高く、副作用の少ない製剤です。 |
トリプタンが使えない人
- 心血管系の病気のある人
- 脳血管系の病気のある人
- コントロールされていない高血圧の人
- 重篤な肝機能障害のある人
- 眼筋麻痺性片頭痛、網膜片頭痛、片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛など特殊な片頭痛を持っている人
血管を縮める作用があるため、基本的に血管の病気を抱えている方は使用できません。
トリプタンの使用について検討が必要な人
- 心臓病の人
- 脳血管障害の可能性のある人
- 高齢者
- 肝機能障害がある人
- 腎機能障害がある人
- コントロールされている高血圧の人
- てんかんやけいれんを起こしやすい病気を持っている人
トリプタン服用のタイミング
遅くとも頭痛発作が始まってから30分以内が望ましいとされています。頭皮の違和感や痛み始めなど、頭痛発作の初期症状が生じたころに服用すると、最大の効果が得られると考えられています。
閃輝暗点が出る方は閃輝暗点が終わって頭痛が始まってから飲みます。
頭痛が始まる前に”予防的に”飲むのはいけません。
効果が不十分な場合や再発があったときには、追加で服用することができます。ただし、前回の服用から一定時間(多くは2時間)あける必要があります。
トリプタンを服用しても全く効果がない場合は、追加で服用しても効果は期待できません。
トリプタンの使用限界
トリプタンは月に6回くらいまでであれば、副作用などの心配がないとされています。
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