片頭痛(偏頭痛)の原因
2013/11/23更新
片頭痛の原因
片頭痛の原因は血管の拡張にあります。
その仕組として最も有力なのが、三叉神経血管説です。何らかの原因で神経伝達物質であるセロトニンが大量放出されると、脳の血管は収縮します。ところがセロトニンが出尽くしてしまうと、今度はその反動で脳の血管は急激に拡張します。それが刺激となって、血管の周囲にある三叉神経から炎症物質が放出され、炎症が起こります。これを三叉神経を介して脳が痛みとして感知します。これが三叉神経血管説です。
片頭痛のメカニズムを簡単にまとめると次のようになります。
- 外部からの刺激により脳の三叉神経が刺激される。
- 血管が広がり脳の血管の周辺に炎症が起きる。
- 三叉神経を伝わって痛みにつながる。
片頭痛の誘因
片頭痛の誘発因子には次のようなものがあります。
特に、ストレスからの解放、空腹、寝過ぎ、生理日やその前後は誘因となることが多いようです。
ストレスから開放された時
片頭痛には緊張しているときには起こりにくく、緊張から開放されたときに起こりやすいという特徴があります。
具体的には次のようなときに片頭痛を起こすことが多いようです。
- 仕事などによるストレスから開放された時
- 家に帰ってホッとした時
- 仕事から開放される土曜日や日曜日などの休日
土曜日や日曜日などの休日に片頭痛が起こる人も少なくありません。これは週末頭痛とも呼ばれていますが、頭痛のために週末の計画を変更しなければならないことも多いようです。
ストレスがかかった時に片頭痛を起こす場合もありますが、開放された時に比べれば圧倒的に少ないです。
空腹
空腹が原因となって片頭痛が起こることもあります。空腹になると血糖値が下がります。血糖値が低下すると、脳の血管が拡張し、片頭痛を起こしやすくなります。
ダイエットのためにと朝食を抜いて、昼前に頭が痛くなったりするのは、若い女性に起こりがちな片頭痛のパターンです。
また、過眠(寝過ぎ)が原因で片頭痛を起こすこともあります。これも長い時間何も食べなかったことによる血糖値の低下が原因です。
生理の前後や最中、排卵日
女性の方は排卵日や月経前に片頭痛を発症することが多いです。血管の収縮と拡張が女性ホルモンと深く関係しているからです。
気圧の変化
飛行機に乗ると頭が痛くなる人もいます。飛んでいる飛行機の中は地上よりも0.1気圧くらい低下します。空気による抑えが緩くなるため、脳の血管が拡張しやすくなるので、頭痛が起こりやすくなります。ただし、最近の飛行機は密閉性が高いので以前ほど影響はなくなってきています。
また、台風や悪天候で気圧が下がっても、同様の理由で片頭痛が起こりやすくなります。
酒飲
アルコールには血管を広げる作用があり、片頭痛の原因になります。
特定の食べ物
チョコレートや赤ワイン、チーズやヨーグルトなどの発酵食品、柑橘類などは片頭痛を誘発しやすいといわれています。しかし食べ物が片頭痛に影響するかは個人差があります。自分がどの食べ物を食べると頭痛を起こしやすいか記録しておくことが大切です。
入浴やサウナ
お風呂に長く浸かったり、サウナに長くいたりすると血管が広がり、片頭痛のきっかけになります。片頭痛は温度差に影響されやすいという特徴があります。クーラーの効いた部屋から暑い外に出たりすると片頭痛を起こすこともあります。
騒音や強い光からの刺激
クラクションやバイクの音などが片頭痛を誘発することもあります。人混みなど賑やかな場所で頭痛を起すこともあります。
また、夏の強い日差しなどの強い光を見て、片頭痛を起こす人もいます。
性別・家族歴・遺伝
女性に多く見られます。
片頭痛は子どもや孫に遺伝する例が多く、遺伝子が関係することがほぼ確実とされています。
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